2026.07.23

ちょっと哲学的な話を。
以前、ビズデザインという社名に「デザイン」という言葉を入れた理由を、美学の観点から少し話したことがあります。
自分の中では、美学というものは、特別な芸術の話だけではありません。ファッションにも、車にも、インテリアにも、仕事場にも、ライフスタイル全体に関わっているものだと思っています。
美しい空間に身を置くこと。美しいプロダクトを使うこと。自分の感覚に合ったものを選び、日々の生活を楽しむこと。
そういうふうに、美意識を軸に生活が回っている状態が、昔からとても心地よいのです。
例えばファッションひとつを取っても、今これが流行っているから着る、という考え方だけでは少し物足りない。
もちろん流行を楽しむこともあります。ただ、根本にあるべきなのは、そのファッションが自分の美意識に合っているかどうかだと思います。
人から見てどうか、世の中で流行っているか。それも判断材料ではありますが、最後はやはり「自分にとって美しいか」。
そこに、その人らしさが出る気がします。
車を選ぶときも同じです。
たくさん人が乗れる。乗り降りがしやすい。A地点からB地点まで静かに快適に移動できる。そうした機能的な価値判断は、もちろん大切です。
ただ、自分が車を所有したいと思うとき、いちばん優先したいのは、やはり美しさです。
スタイリングの美しさ。車が持つストーリー。ものづくりの背景にある思想。
そこに美学を感じられないと、自分はなかなか所有したいとは思えません。だから、歴史的背景や車づくりの哲学を感じるヨーロッパの車に惹かれるのだと思います。
MEMO
美学は、選ぶ基準に現れる。
昔、小売業に従事していたとき、店舗だけでなく事務所も美しい空間であるべきだと考えていました。
小売店舗の事務所としては、少しやりすぎなくらい、かっこよく、美的センスを感じる空間にしていました。
一見すると、事務所をかっこよくすることは無駄に見えるかもしれません。
でも、店舗に入った瞬間に「この空間は素敵だ」とお客様に感じていただくには、そこで働くスタッフ自身が、美的感覚を持っていなければならない。
店舗は、オープンした直後はシンプルで美しいものです。けれど、時間が経つにつれて、そこに人の温かみや日々の運営が積み重なっていきます。
それが良い方向に進めば、居心地のよい空間になります。一方で、気を抜くと、少しずつ雑然とした空間にもなっていく。
その差を分けるのは、結局、そこで働く人たちの美的感覚なのだと思います。
雑然とした、薄汚れた事務所で戦略を練っていて、美しい戦略が生まれるのだろうか。
そんなことを、当時から考えていました。
空間は、思考に影響します。空間が整っていると、ものの見方も整いやすくなる。逆に、空間が雑然としていると、判断や発想もどこか鈍っていく。
これは、店舗づくりだけでなく、会社づくりやEC運営にも通じる話だと思います。
見せ方、置き方、伝え方。すべてに、その会社の美意識が出ます。
「センスがいい」と言われるような感覚を磨きたいなら、やはり環境が重要だと思います。
美しいものを見る。素敵な空間に身を置く。よい建物、よい道具、よいプロダクトに触れる。
そうした体験の積み重ねが、美的感覚を少しずつ養っていくのだと思います。
便利かどうか。安いかどうか。効率がよいかどうか。
それだけではなく、「美しいかどうか」という問いを、自分の中に持っておくこと。
それは、暮らしにも、仕事にも、経営にも、静かに効いてくるものだと思います。
美学については、まだまだ語りきれません。
自分の中には、美意識や美学に対する深い思いがあります。哲学としての美学というよりも、日々の選択や仕事の姿勢に近いものかもしれません。
何を選び、何を美しいと思い、どんな空間で生きるのか。
その積み重ねが、その人のライフスタイルになり、仕事の質にもつながっていく。
今日は、そんなことを少しだけ書き残しておきます。
店舗やEC、会社の見せ方を考えるときも、機能や売上だけでなく、その奥にある美意識を大切にしたいものです。ご相談は、お問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。